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門馬師範オランダ遠征レポート:Shihan Monma, Netherlands seminar report

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まず始めに、今回、ルォール師範よりオランダキャンプのお誘いを頂き、私が指導に行くことに関し、快く送り出して頂いた長谷川範士、大石範士に心より感謝申し上げます。

 

オランダ遠征は三回目となりますが、今回は、私の道場の生徒である高校生の鈴木統河と大住柊太を帯同させました。この経験は私にとっても彼等にとっても大変意義のある遠征でした。何故ならば、極真空手を創始され世界中に普及された大山総裁、そしてその極真空手を真摯に受け継がれておられる、長谷川範士と大石範士。この連綿と伝承される極真空手の素晴らしさを、彼等も含め、更に身をもって体験し感ずることが出来たからです。

 

3月23日

kl862便、11時25分発が、11時15分発に変更になり、11時40分頃離陸。11時間30分のフライト。現地着は日本時間23時7分、オランダ時間で15時7分にスキポール空港に到着。入国審査してから荷物を取り、15時半過ぎにルォール師範と道場生のパトリックに合流。誰か通訳が来てくれるかと期待したが今回も通訳者はなし。私の拙い英語と、押忍で乗り切るしかない。

一時間後にロシアからダビット師範も到着するらしく、コーヒーを飲みながらそのまま1時間位待つ。

合流後、現地時間16時頃に高速道路を2時間半位かけて175キロ走ると、そこはエンスヘーデと言う町で、その中にユニバーシティがあり、その敷地内の運動施設が今回のキャンプ場所だ。そこから南東へ10キロも行くと、もうドイツだ。

敷地内にあるホテルは、とても綺麗で最高に居心地がいい。

到着したのが現地時間18時。荷物を整理し、現地時間20時40分頃よりホテル内のレストランでウエルカムパーティーだ。私達五人にオランダの古株のピート・ペック師範達が加わり、ビールとウィイスキーを飲みミートを食べるが、疲れて眠いので22時30分頃寝る。3時間寝て起きる。現地時間真夜中の3時に大石師範より電話があり30分位話す。大石師範、私がオランダ遠征だったのを忘れていた模様。その後目が冴えて、なかなか眠れず。

 

 

3月24日

6時半起床。8時半より朝食。サンドウイッチ。

スケジュールにはなかったが、ルォール師範の希望で突然午前10時から型合わせの稽古。ルォール師範とダビット師範、パトリック、私、統河、柊太で型をやる。11時に終了。12時に街へ観光に出発。お昼はまたサンドウイッチ。暫しお土産を買い歩き、15時半頃ホテルに戻る。

ホテルに戻ると、ロシアのヴァレンチン師範達一行が到着しており合流。今回のキャンプ参加国は日本、オランダ、ロシア、イタリアの五ヶ国。黒帯の師範・先生で60名。ほぼ全員一般部で総勢160名の参加者が18時頃から皆んな集まり始める。ちなみにこの夜も皆で夕飯はサンドウイッチだった。

 

さて、この夜21時からいよいよ本格的な稽古だ。私達師範は、時間ギリギリに来てくれと言われているので5分前に体育館に行くと、集合時間のかなり前から他の先生方や生徒は集まり不動立ちで待っていた。ルォール師範の次に私が稽古場に入り、その後イタリアのサミュエル師範達が続く。そのたび全員で十字を切って「押忍」と挨拶してくれる。

合宿中は、毎回同じ様に迎えてくれた。ルォール師範の気配りであろうが、私達は長谷川範士や大石範士の名代で来ているんだという責任をヒシヒシと感じた。

 

合宿一発目の稽古は私の担当である。日本式の準備運動から基本まで全て自分が行う。その後ルォール師範の型、組手トレーニング。型は、黒帯でもあまりに上手い人と下手な人の差が激しく、型をしっかり稽古している人と、ほとんど稽古しない人がハッキリわかる。 これは日本と同じ。組手は毎回思うことだが、コンビネーショントレーニングが主であるが、一つの技を延々とやる日本式と違い、どちらかというと色んなコンビネーションを少しずつやる稽古なので、これで果たして一つ一つのコンビネーションが身につくのかはわからないが、色んな動きに身体が対応していくのであればこういう稽古も学ぶべきものがあると思った。

23時頃に稽古終了し、その後ホテルのバーに集まり、深夜1時まで飲む。大石範士に海外の話しをよく聞かせて頂いたり私自身も感じるが、これ程までにみんな極真空手が好きだという情熱を垣間見、大山総裁の偉大さ、極真空手の偉大さに毎回驚かされ、そして長谷川範士や大石範士の偉大さに感動し、そして自分がそこの一員である事に誇りを持つ。

 

3月25日

眠い目をこすりながら朝6時起床。7時から稽古。ルォール師範の担当で、ストレッチから太極を変形した型の稽古。1時間程で終わり、朝食。

 

殆ど休憩する暇もなく、10時30分から本日二回目の稽古。このクラスも、私の担当で日本式の準備運動から基本を全て任される。基本は初日には各20本ずつやったが、足技はついて来れてない感じなので、今回は、準備運動から基本を全て説明しながら行う。この後、私が担当のクラスに移り、型五十四歩に入る。初級クラスはルォール師範が違うフロアーの道場で、指導は二手に分かれる。最後は合流し、全員で型を行い終了。

 

13時30分から本日三回目の稽古。ランニング・ダイナミックストレッチから型に入る。またしても私の担当で、五十四歩、観空、征遠鎮をやる。15時00分に終了。その後、30分の休憩を挟んで四回目に備えるつもりが、いつの間にか凄い数の写真撮影を頼まれ30分間撮影会になってしまった。何百枚撮ったろうか。

 

15時30分、本日四回目の稽古は、各帯毎に型を発表する。黒帯の師範・先生方も同じ様にやらされる。稽古をあまりしない人や型が嫌いとか言ってる人は恥をかく。全体的に見ると、型のレベルは決して高くはない。あまり型の稽古はしていないように感じた。しかし、基本稽古もそうだが彼らは手を抜かず一所懸命にやる。この突きを、この蹴りを、空間に向かって真剣に突き真剣に蹴れば、必ず強くなるんだと信じて疑わない。基本稽古や型なんてやっても意味がないと手を抜く日本人とは明らかに違う。しかし、残念なことに彼らは日頃からはこういう稽古をしておらず、普段の道場稽古はミットと組手ばかりだと言っていた。確かに、持ち前の体格や身体能力を活かした彼らの動きは脅威だが、彼らがもっと日本の様に、一つの技の反復稽古に時間を費やしたら、もっともっと強くなるのではないかと感じた。17時に終了。

 

18時30分過ぎから夕飯。寿司パーティーをサプライズで開催してくれた。

寿司パーティーの後、サミュエル師範達とビールを飲みにバーへ行く。

ほろ酔い加減で部屋に戻ると、ルォール師範より、キャンプの参加証明書のサインを頼まれる。海外は合宿参加証というのを必ず欲しがるようで、これが多ければ審査会などの昇級・昇段に影響するらしい。なので今回も全員に配布するらしいが、延べ参加数は160人。つまり160枚にサインしなければならない。しかしその参加証明書にはルォール師範と私の名前のみ記入するそうである。疲れているし眠いが、大変光栄なことなのでひたすらサインを書く。

 

本日五回目の稽古は21時からで、昇級・昇段の審査会。私は審査委員の役目で、ルォール師範の隣で座ってみていたが、昼間見た通り、基本や型は一所懸命だが下手である。見ているだけでは飽きてしまう。組手は明日の50人組手で審査なので、基本や移動稽古のみの繰り返しを見ているだけなので退屈で眠い。それでも何とか目を開いていた。

23時過ぎやっと終了。部屋に入って落ち着いたらもう夜中の1時近い。バタンキューで寝る。

 

 

3月26日

また6時起床。7時からは、組手の世界大会にも出場したウェスリー先生による組手コンビネーション稽古。その後、また型の発表を全員で行い8時で終了。朝食。

 

10時30分からは今回のキャンプの最終メニューの50人組手。私はと言えば、腰は痛いわ、足は痛いわ、疲れてるわで、どうせ他の師範方は組手に混ざらないんだろうから、今日は途中から雰囲気で入るかと思っていたら、ロシアのダビット師範がサポーターを普通に付けてやる気満々である。仕方がないので私も勢いで最初から参加。日本の師範が組手に入るということで歓声が沸き起こる。しかし、3人目くらいで何か疲れてきて、やたら時間が長いと思ったら一人1分30秒だった。今回は並んで一人ずつ回るやり方ではなく、一人終わったら次にやりたい人を見つけて相手をしてもらう。なので休むのもある程度自由だが、さすがに日本人との手合わせは貴重らしく、次から次と私の前に相手が現れて休む暇などない。10人毎に休憩を挟みながらなので何とか動けるが、しかし、みんなでかい。190㎝位あるのがざらにいる。自分と組手の時は、上段を警戒してかどんどん前に詰めてくる。おまけに膝蹴りで大腿部の内側を狙ってくるし、下を警戒すると顎に膝が飛んでくる。イヤな相手だが、中段の的はデカイので中段突き、中段回し蹴り、中段後ろ蹴りなどで応戦。ただ、やっぱり大きい相手とやる時は、ステップで回り込み横からパンチ等で攻めないと駄目だなと痛感した。50人目、「ラスト」の声がかかると、オランダのアンドレが50人組手の最後は自分に相手して欲しいと言われていたので、喜んで最後の相手を務める。 ほぼ全員が50人組手完遂。終了の合図とともに自然と拍手が起こる。

 

整列し、各国の師範が一人一人最後の感想を述べる。みんな一様にとても良いキャンプだったと言っていた。

そしてここで、サプライズ。イタリアの極真最古参の一人で今年で70歳になるジャンニ・パウロという先生から各国の師範に「極真会」の刻印入りの懐中時計が贈られた。

午後2時、最後はルォール師範から私が指名され、私の号令で正拳突き10本でこのキャンプを閉じた。

 

午後4時からルォール師範・ケースベック師範、私で、国際ミーティング。今年6月の24日に行われるオランダ大会や、日本への来日予定など話は多岐に及ぶ。

 

午後5時頃、ほぼ各国のみんなが帰る。私とルォール師範、柊太、統河、パトリックと5人だけ残り、夕食。ビールを飲みながらゆったりと語り合う。明日の朝チェックアウトは午前9時と早いので、部屋に戻り荷物を詰め、早めに就寝。

 

3月27日

6時30分起床、朝食後ホテルを9時に出発。スキポール空港発14時40分の飛行機で日本に飛び立つ。観光も何もない稽古だけの遠征だったが、とても充実していた。5月にはルォール師範達が稽古をしに静岡と福島に来るらしい。またすぐ会える。名残惜しいが最後にハグをして今回の合宿は終わった。

 

以上の様に、私は今回も海外のキャンプに参加させて頂き、また貴重な経験をさせて頂きました。これも一重に長谷川範士、大石範士はじめ、総極真の支部長方々のご協力があってのことだと、心より感謝いたしております。この経験を、今後、総極真の発展のために活かしていく所存であります。自分の責務を100%果たしたとは言えないかもしれませんが、今回のこのキャンプ参加は総極真オランダにとっても発展に向かう良い機会であり、かつ、日本との強いつながりを作っていくための大切な機会であったとも思います。今後とも、このような機会があれば、総極真のために身を粉にして働く所存であります。有難う御座いました。

押忍。

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